本の泉 清冽なる本の魅力が湧き出でる場所…

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第42回 2008年1月24日

●執筆者紹介●


加藤泉
有隣堂読書推進委員。

仕事をしていない時はほぼ本を読んでいる尼僧のような生活を送っている。

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  〜山崎ナオコーラ特集〜
 
デビュー前
  加藤:   今回の「本の泉」は特別ゲストをお招きしています。
デビュー作『人のセックスを笑うな』が映画化され、新刊の『カツラ美容室別室』が大評判の、山崎ナオコーラさんです。
 
  山崎:   加藤さん、こんにちは。
 
  加藤:   ナオコーラさんはトークイベントが大の得意と伺っています。
今回はトークショーのおつもりで思うままに語っていただければと思います。
 
  山崎:   はい。 喋るの、上手いんです。
 
  加藤:   さて、今更な質問かとは思いますが、ペンネームについてお伺いします。
コーラがお好きなので「ナオコーラ」になったと伺っていますが…。
 
  山崎:  はい。 コーラが好きなので、ナオコーラにしました。
みなさん、「名前がおかしい」とおっしゃいますが、時代は自分で作るものなので、ナオコーラという名の馴染む時代を、これから到来させようと思います。
 
  加藤:   作家を志したのはいつ頃からですか?
 
  山崎:   小さい頃から、本を作る人になりたいと思っていました。
 
  加藤:   ナオコーラさんの作品を拝読していると必ず印象的な文句が出てきます。
コピーライターのセンスも持ち合わせている方なのではないかと私は思っています。
この才能を伸ばすのにこの経験が役立った、というエピソードなどはおありですか?
 
  山崎:  日記をたくさん書いている、ということが訓練になっているか、と思います。 無印良品のちっちゃいノートを、いつもバッグに入れていて、電車の中などでちょこちょこ書いています。
 

デビュー作 『人のセックスを笑うな』映画化
  加藤:   デビュー作『人のセックスを笑うな』が映画化になり1/19より公開になりますね。
映画をご覧になったご感想は?
 
人のセックスを笑うな・表紙画像
人のセックスを笑うな 
(B6版文庫版)
河出書房新社 刊
 
  山崎:   文章でやれることと、映像でやれることは違うと思うので、別作品として楽しみました。 キュートな映画だと思います。
 
  加藤:   『人のセックスを笑うな』というタイトルを初めて目にした時、奇抜な印象を受けたのですが、とてもピュアな恋愛物語ですね。
 
  山崎:   この小説を書いた当初は、セックスという言葉が恥ずかしくて発音できなくて、自分の小説のタイトルをなかなか言えませんでした。 今は慣れて堂々と言えます。 内容に比べてタイトルが過激というご意見もいただきますが、キャッチーなこのタイトルは書店で光っていると自負しています。
 
  加藤:   19歳の学生と39歳の人妻の恋愛がテーマです。
映画では永作博美さんが演じている可愛らしい「ユリ」という女性は、原作ではそれほど魅力的には描かれていないと思います。
それに対して19歳のみるめ君はもてそうな男の子ですよね。
この2人が恋に落ちるという設定が全く違和感なく、恋は理屈ではないんだなぁとしみじみ思ってしまうようなリアリティがありました。
 
  山崎:   恋って誰でも、落ちるときは落ちますよね。
 
  加藤:   実は、私は恋愛小説が大の苦手なのですが、『人のセックスを笑うな』だけは大好きですね。
 
  山崎:   それは嬉しいです。 私は、いまだに恋ってなんなのかわからないんですが、「恋愛小説」を書きたくて、がんばりました。
 

最新刊 『カツラ美容室別室』
  加藤:   新刊『カツラ美容室別室』について伺いたいと思います。
大人の男女の友情がテーマとなっていますが、ナオコーラやってくれたな(失礼を承知で)、と一読して思いました。
こういう経験あるあるある〜というまさにそのままをナオコーラさんが小説にしてくれた!という感じです。

 
カツラ美容室別室・表紙画像
カツラ美容室別室

河出書房新社 刊
  山崎:   やったー!
 
  加藤:   この作品を書き上げて、手応えのようなものはありましたか?
 
  山崎:   はい! 自信作です。
 
  加藤:   正直言って、20歳年下の異性との恋愛には憧れませんが、恋愛感情だったり、倦怠感を通り越したところにある男女の友情にはものすごく憧れます。
あらゆる人間関係の中でも最強の絆のように本書を読んで感じました。
そう思わせてくれる力のある作品だからだとも思いますが。

 
  山崎:   昔から、友情っていうものはあったんだろうなあ、と思います。 狩りをして肉を獲ったり、土をこねて土器を作ったりしている頃から、人と人との間には情が流れていたんだろうなあ、と思います。
 

山崎ナオコーラ・これからの仕事
  加藤:   新刊が出たばかりで恐縮ですが、次回作のご予定などは?
 
  山崎:   書き下ろし小説集『論理と感性は相反しない』を、3月に講談社から出版します。 他にもたくさん書いて、いっぱい本を出したいです。
 
  加藤:   こういう小説を書いていきたい、という信条のようなものはおありですか?
 
  山崎:   音楽だとか、絵だとかのように、「感じて」もらえる小説を書きます。
 
  加藤:   執筆活動以外で興味のあることはありますか?
 
  山崎:   友だち作りに興味がありますが、人間関係は難しいので、いつも悩んでいます。
 
  加藤:   最後に読者の皆様にメッセージを!
 
  山崎:  みなさん、お仕事やお勉強たいへんですね。 私もがんばります。
 


文・読書推進委員 加藤泉
構成・宣伝担当 矢島真理子

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