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第45回 2008年3月6日 |
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〜東野圭吾特集〜 | ||||||||
今回は、満を持して東野圭吾さんを特集したいと思います。 |
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『むかし僕が死んだ家』 (1994年5月刊)
古びた屋敷を舞台に、たった二人の登場人物が謎解きを進めてゆくミステリー。 ちりばめられた謎が、ラストで全て組みあがる緻密な構成に脱帽しました。 読み始めたら途中でやめられないので眠れぬ夜にお勧めします!
(川崎BE店 小林あゆみ)
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むかし僕が死んだ家 (講談社文庫) 講談社・560円 (5%税込) |
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『探偵倶楽部』 (1996年6月刊) 謎の会員制探偵組織「探偵倶楽部」の活躍を描く連作短編集。 気軽に、さくっと読めますが、もちろんトリックなどは本格です。 物語の最後に探偵が暴いた真相をあくまでも依頼人の手に委ねるところが東野さんらしくて私は好きです。 一度、依頼したいです。 (厚木店 岩堀華江) |
探偵倶楽部 (角川文庫) 角川書店・540円 (5%税込) |
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『秘密』 (1998年9月刊)
自称東野大ファンです。 東野圭吾の作品はほとんど読みつくしている私が選ぶマイ東野ベスト1は、『秘密』。 東野作品とは思えないファンタジーな恋愛小説? いえ、実はこの作品ほど東野圭吾の本当の良さが出ている一冊なのではないのか? と思ったりするのです。 ある家族を襲った突然の事故。 妻と娘の体が入れ替わり、娘は亡くなりますが、夫は“娘の姿の妻”との生活を始めます。 一人青春をやり直しているような妻。 同じ人生歩むはずだった夫婦の結末は?“運命が愛する人を二度引き離していく”切なさと愛おしさの入り混じった感情が心の琴線を揺さぶります。 ぜひ、読んでみてください。 (ヨドバシAKIBA店 佐伯敦子)
若い頃に戻りたい!! とか、もう一回人生やり直したい!! とか、誰でも一時思うことはあると思います。 では想像してみて下さい、周りの環境はそのままで、自分の身体だけが若い頃に戻ってしまったらと…。 「秘密」は30代後半の一組の夫婦の物語です。 お互いを愛しています。 しかし、事故がきっかけで娘の身体に妻の意識が乗り移ってしまうのです。 彼らのその後の生活は…? タイトルどおりの「秘密」があります。 その秘密が明かされたときの心の震えは僕の読書履歴のNo.1です。 (横浜駅西口店 広沢友樹)
1番を決めるのは難しいけれどあえてあげるなら『秘密』です 。 東野作品の暗く重いミステリーではなく家族愛を考えさせられる秀逸な小説です。 さすが東野さんの文章力はすばらしい 。 やはりラストは悲しくて切ないのだけれども前向きな未来を感じさせます。 読み手によって感じ方はそれぞれ、絶対読んでもらいたい1冊です。 (藤沢店 大嶋慶子)
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秘密 文藝春秋・2,000円 (5%税込) 秘密 (文春文庫) 文藝春秋・660円 (5%税込) |
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『白夜行』 (1999年8月刊) 読んでいる間、霧の中をさまよっている感覚でした。 その先に何があるのか気になって気になって途中で本を置くことができず、「眠いのに〜。 明日仕事なのに〜。」と泣きながら完徹して読み終えたことを覚えています。 テレビドラマ化もされましたが、ドラマでこの作品と出会ってしまった方がつくづくお気の毒です。 (アトレ恵比寿店 加藤泉)
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白夜行 集英社・1,995円 (5%税込) 白夜行 (集英社文庫) 集英社 ・1,050円 (5%税込) |
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『時生
[トキオ] 』 (2002年7月刊) ラストがじわっと温かくヒューマンチックで、泣きました。 久しぶりにキターッ! という感じで、本を読んで泣いたのは宮部みゆきの『蒲生邸事件』以来でした。 (販売促進室 細川吉彦) |
時生 [トキオ] (講談社文庫) 講談社 ・790円 (5%税込) |
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『手紙』 (2003年3月刊) 強盗殺人で服役中の兄と文通する弟。 ありきたりの人情話かと最初は全く読む気があまりしませんでした。 でも、これはそんな次元を軽く飛び超えてました。 私は、「事件」というものは世間でどれだけ騒がれ様と忘れ去れればそれで終わりなのかと思っていました。 ニュースで語られなくなった「その後」の人々の人生こそがものすごいドラマなのだと、圧倒され気づかされました。 読んでから何年たっても、あの衝撃は忘れることはできません。 (東戸塚店 柏村靖子)
罪を犯してしまった兄の想いと、その罪を背負い一生懸命に自分の道を行こうとする弟の想いを感じて胸が締めつけられる思いがしました。 いろんな事を考えさせられるいい作品です。 (書籍外商部 矢部久美子)
唯一の家族である兄のことが大好きだった弟、その弟のために殺人という罪を犯してしまった兄。 彼らを通して人と人とのつながりについてこんなにも深く考えさせられたのは、この小説が初めてでした。 読みながら何度ため息をつき、何度涙を流したことか・・・。 東野圭吾といえばずっと『白夜行』と思っていましたが、私は『手紙』が一押しです。 (厚木店 菅野貴子) |
手紙 毎日新聞社 1,680円 (5%税込) 手紙 (文春文庫) 文藝春秋 ・620円 (5%税込) |
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『赤い指』 (2006年7月刊) 本書のテーマは「家族」。 息子が少女を殺してしまい、それを必死に隠そうとする両親。 それに関わってくる赤い指とは?少年犯罪、老人介護、嫁姑問題など、現実に直面する問題が多く盛り込まれていて、さらに複雑な愛の物語だと思う。 親が子供を守ろうとするのは当たり前で、でもどこまでが子供のためになっているのかが解らない親も多い。 もしくは子供のためと理由を付け人に罪をなすり付けることもある。 愛とは求めるだけ、求められるだけの一方通行であってはならないと思う。 それが交わった時に愛の深さに気づくことができる。 東野圭吾さんの作品を読んだことのない人にもオススメの1冊です。 (アトレ恵比寿店 日比卓) |
赤い指 講談社・1,575円 (5%税込) |
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文・読書推進委員 加藤泉
構成・宣伝担当 矢島真理子 |
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