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加藤: |
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今回の「本の泉」も前回に引き続き編集者の方をゲストにお招きしています。
角川書店第三編集部の金子亜規子さんです。
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金子: |
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こんにちは。 いつも不審な感じで売り場をぐるぐるしていてすみません(笑)。 今日はこのような晴れがましい場にお呼びいただいて緊張していますが、どうぞよろしくお願いいたします。
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加藤: |
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こちらこそよろしくお願いいたします。
今回、金子さんをゲストにお招きしたのは角川書店の携帯小説サイト「小説屋sari-sari」についてお話を伺いたいと思ったからなのです。
この携帯小説サイトは金子さんが中心にやっていらっしゃると伺いましたが、創刊の経緯について教えてください。
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金子: |
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私自身、携帯メールもやらず、ちょっと前までQRコードが何かも知らなかったので(何の暗号だろう、とまぢで思っていました)、まさかこんなことになるとは……。
なので、経緯というほどのものはありません。 上司に「何か携帯とか使ってさ、『野性時代』とは違うコンセプトで小さい小説誌作らない? 好きに作っていいから。 その代わりスタッフは君ひとりね。 じゃよろしく」と無茶振りをされまして(笑)。
うーんどうしよう、としばらく唸ってから思ったのが、ライトノベルやいわゆる携帯小説の読者さんは、大人になったらどこへ行くのかな、ということでした。 有川浩さんのように「自分が読みたい小説がないから書き出した」という方もまれにいらっしゃるけれど、ひょっとしたら本読むのやめちゃうのかもしれない、そういう方が多いとしたら、すごく勿体ないと思ったんです。 で、「本読み女子雑誌」を作ろうと。 オトナ女子が(もちろん私自身も!)等身大でわくわくできる、本当に面白い小説を送り出したいと思ってつくったのが「小説屋sari-sari」です。
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加藤: |
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「小説屋sari-sari」、可愛らしいネーミングですが、この意味は?
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金子: |
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タガログ語で「なんでもあり」という意味です。 フィリピンあたりを旅していると、各村や、ひょっとしたら島に一軒ずつ「サリサリストア」というのがあります。 要は雑貨屋さんなんですが、さっき締めた鶏とかそのへんで採れた野菜とか、賞味期限のとっくに切れたチョコレートとか、2ヶ月前のNYタイムズとか、何故か昨日発売の少年ジャンプとか(笑)が置いてある。 あの、「なんでもあって楽しくて、たまに命をつなぐ」感じがいいなあ、と思ったので。
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加藤: |
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なるほど。 素敵な意味が込められているんですね。
このサイトのターゲットは、やはり若い女性でしょうか?
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