加藤: |
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「本の泉」第86回で、有隣堂きっての読書家のお二人をお招きして座談会形式で本をご紹介させていただいたところとてもご好評いただきましたので、今回も「POPの帝王」梅原潤一さんと「東野圭吾命」の佐伯敦子さんにご登場いただきたいと思います!
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1Q84 BOOK1
村上春樹:著
新潮社
1,890円
1Q84 BOOK2
村上春樹:著
新潮社
1,890円
恋の蛍
松本侑子:著
光文社
1,890円
サヨナライツカ
辻仁成:著
幻冬舎
520円
吉祥寺の朝比奈くん
中田永一 :著
祥伝社
1,680円
百瀬、こっちを向いて。
中田永一:著
祥伝社
1,470円
夜の果てまで 盛田隆二:著
角川書店
780円
ありふれた魔法 盛田隆二:著
光文社
650円
ほかならぬ人へ
白石一文 :著
祥伝社
1,680円
くまちゃん
角田光代:著
新潮社
1,575円
最後の恋
角田光代 他:著
新潮社
540円
透光の樹
高樹のぶ子 :著
文藝春秋
500円
カッコウの卵は誰のもの
東野圭吾 :著
光文社
1,680円
※価格は全て5%税込です。 |
梅原: |
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はいどうも。
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佐伯: |
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今回のお題は恋愛小説なんですね。 あまり読んでいないのですが、がんばります!
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加藤: |
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ありがとうございます。 それでは早速佐伯さんからご紹介していただきたいと思います。 今回は文庫も可ですのでどんどんおすすめしてください!
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佐伯: |
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はい。 まずは村上春樹『1Q84』から。
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梅原: |
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ふふん。
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加藤: |
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すごいベストセラーになってしまった小説ですが、私も、ただただ美しい恋愛小説として読みました。
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佐伯: |
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はい。 二人の人生が、1Q84年に青豆が一歩踏み入れた時から、交差し始め、徐々に近づいてく感じが「恋愛って、これだよ! 」と思いました。
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加藤: |
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特に良かったセリフとか文章はありましたか?
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佐伯: |
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「青豆という名前の女の子−ずっと変わることなく、僕の意識の中心にいた−そんな当たり前のことを理解するのに、20年もかかった。 」いいですねえ。
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加藤: |
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私は「一人でもいいから心から誰かを愛することができれば、人生には救いがある」という文章に胸をズキュンと射ぬかれました。
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佐伯: |
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4月16日発売のBOOK3には、劇的な再会とハッピーな結末が待っているのでしょうか? 乞うご期待です。
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天の声: |
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『1Q84』BOOK3のご予約はお近くの有隣堂で!
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梅原: |
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今、何か聞こえなかったか?
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加藤: |
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気のせいじゃないですか? 他に佐伯さんのおすすめは?
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佐伯: |
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松本侑子『恋の蛍』です。
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天の声: |
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その本なら「本の泉」第88回で私も薦めてま〜す。
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梅原: |
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また聞こえた!
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加藤: |
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気のせいですよ。 佐伯さん、この本の読みどころは?
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佐伯: |
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これは実話でもあり、評伝小説でもありますが、ここ100年の間の一番の恋愛小説とは思います。
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加藤: |
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そこまで良いですか!
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佐伯: |
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はい。 人は、本当の恋をしたら、命がけになるのだろうか? とつくづく思いました。 この本を読むと、太宰治と心中した山崎富江さんは、お父様が美容学校の先駆者で、富江さん自身も、美容師としてかなりの腕があったということでした。 そんな自立した女性が、なぜあの遊興作家に身を滅ぼしたのか…と。 なんだか、憂いとか、天才作家の美学とかに惚れてしまったのでしょうか? いやあ、ここまで、情熱的になれるということが、羨ましくもありました。
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加藤: |
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うわ〜、すごく読みたくなってきました。 文庫でおすすめはありますか?
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佐伯: |
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辻仁成の『サヨナライツカ』です。
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梅原: |
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ふふん。
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佐伯: |
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ミポリンが、あまりにもテレビの画面に出まくるので、つい読んでしまいました。
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加藤: |
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あれだけ露出されると読みたくなりますよね。 映画では西島秀俊がセクシーだとの噂ですが。
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佐伯: |
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とても素敵な恋愛小説でした。 宮本輝の『錦繍』を読んでいた時のような、なんだかおごそかな感じがしました。 胸ジーンです。 大恋愛して、時が経って、お互いが歳を重ねて、もう一度その相手に会いたいと思って、想いが少しも色あせていなくて…ううっ、なんてロマンチックなんだ。 辻仁成さんがこんなにすごい「恋愛小説家」だとは思わず…。 騙されたと思って読んでみてください。 胸ジーン間違いなしです。
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加藤: |
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へえ〜。 過去を振り返る話って、個人的にあまり好きではないのですが…。 そんなにいいですか。
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梅原: |
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あなたは基本的に恋愛小説嫌いなんでしょ。
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加藤: |
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えへへ。 ばれました?
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佐伯: |
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そんな加藤さんには中田永一『吉祥寺の朝比奈くん』をお薦めします。 この本は、超面白かったです。 恋愛小説なのですけれども、謎解きというか、ミステリーみたいな要素も同時に楽しめて、5編収録されているどの短編も、秀逸! 中田永一って、すごい作家じゃん、一体何者よ! と思いました。
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梅原: |
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ああ、それは…
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加藤: |
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梅原さん、「ピーッ」ですよ!
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佐伯: |
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中田さんの『百瀬、こっちを向いて。』もかなりの話題でしたが、『朝比奈くん』もいい! しょっぱなの交換日記のお話も隙をつかれた…という感じだし、ぐるぐる鳴るお腹の話もマーカーの話もいやあ、面白い。 最後の表題作も、おいおい不倫の話かと思ったら、予期せぬ展開で、久しぶりの面白いと読み応えを感じた一冊でした。
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加藤: |
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面白そう! 梅原さんにもいけるんじゃないでしょうか。
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梅原: |
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そろそろオレにも紹介させてくれ。
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加藤: |
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はい、お願いします!
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梅原: |
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男目線から見た面白い恋愛小説ということで、紹介します。
男性に薦めて読んでもらうと皆大興奮! で女性に読んでもらうと結構総スカンなのが盛田隆二。
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加藤: |
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そうなんですよ〜。 私も以前梅原POPに乗せられて購入したことがあるのですが、ちょっと…。
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梅原: |
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わはははは! 勿論わたしは大好きで『夜の果てまで』を初めて読んだ時のドキドキ感は今思い出しても切ない位ですが、これが女性には殆どと言っていい程ウケない。 「なんだこの妄想小説は! まるっきり男の夢物語じゃん! 」というのが否定派のおおよその意見なのですが、みうらじゅんじゃないけど「そこがいいんじゃない! ! 」と言いたい。 体裁としては年下の男の子と人妻が駆け落ちするという陳腐な不倫小説なのですが、そんな小説のジャンル分けを嘲笑うかのように踏み越えていく物語の力が素晴らしい! 中盤に登場する黒川夫妻という詐欺師との絡みのドス黒さとサスペンスフルな展開は「小説を面白くするためだったら何でも描くぜ」という盛田氏の小説家としての矜持をまざまざと感じざるを得ません。
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佐伯: |
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梅原さんのマシンガントークに口を挟めません。
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梅原: |
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そして「自分より一回り以上年下の部下と恋に落ちる44歳銀行員」というホントに身も蓋もない陳腐な設定のストレートな不倫小説『ありふれた魔法』がまた凄い。 銀行での二人の仕事ぶりを詳細に描き出す事で浮ついた恋物語にリアリティを持たせて読ませる読ませる。 好きになってはイケないのにドンドンドンドン好きになってしまい、とうとう一線を越えてしまう辺りのドキドキ感! そして恋に落ちてる間のフワフワ感、遂に訪れるビターな決着。 女子に言わせるとこの展開と結末が完全に男の妄想でどーしょもないらしいのですが、みうらじゅんじゃないけど「そこがいいんじゃない! !」と言いたい。 リアルなものとファンタジーなものが同居するこの小説世界の良さが何故ワカラン! 日常からの飛躍が可能なのが小説を読む悦びではないか………と、ここまで書いても盛田隆二の小説は男のハーレクインなのでは? と思えてきた。 ウ〜ン、どうなんだろう…。
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加藤: |
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男のハーレクインですか。 なるほど。
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梅原: |
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で、盛田さんほどではないにせよ女よりも男が喜ぶ恋愛小説を書いているもう一人の雄が先頃直木賞を受賞した白石一文さん。 受賞作『ほかならぬ人へ』に収録の「かけがえのない人へ」に出てくる「変態セックスも辞さない絶倫、しかしネコが好きでいつでもネコ用ゴハンを携帯している。 不倫相手の女の誕生日には会えるあてもないのに毎年ケーキを用意する」というトチ狂ったキャラクター「黒木」がワケわからん! という評判をよく耳にします。
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佐伯: |
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そうなんですよ。 前から白石一文ファンの私でさえも、この黒木はちょっと…。
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梅原: |
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このキャラを「そこがいいんじゃない! 」と全肯定する勇気は流石に私も持ち合わせてはおりませんが、根底に流れる男の純情みたいなものにはキュン! と来るものがあります。 この作品集にせよ、やはり直木賞にノミネートされた作品集『どれくらいの愛情』にせよ白石さんが真摯に追求し続けるものは「男と女が本当の本当に心の底から愛し合うっていうのはどういう形なの」「心と心で結ばれるとかいうけどやっぱりセックスが重要じゃない」「凄く好き合って一緒になった筈なのに男女の愛は何故移ろうの」といった普段我々があまり口にしない、だけど心の中では漠然と考えていたりする、人間の愛の根源的なものであり、殆ど考えたって結論が出ないものに真正面からぶつかっているその姿に心打たれてしまうんですよね。
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加藤: |
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な〜る〜ほ〜ど〜。
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梅原: |
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で、男が読んでも面白い女性作家として角田光代のことをおすすめしようと思ったけど、本当に凄い2作「対岸の彼女」「八日目の蝉」がどちらも恋愛小説とはいえない代物なのでここで終了。
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加藤: |
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最近の角田光代の作品でしたら『くまちゃん』が恋愛小説と言えるのでしょうけど、恋愛小説を装っていながら人生の上手くいかなさとか、タイミングの悪さとか、全然違うことを主眼に書いているような気がするんですよね。
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佐伯: |
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そうそう。 そこが角田光代の凄さです。
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加藤: |
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新潮文庫に『最後の恋』というアンソロジーがあります。 8人の女性作家が「最後の恋」をテーマに書いた短編小説が収録されているのですが、角田さんの「おかえりなさい」がとにかく素晴らしく良いです! やっぱりこの小説も恋愛小説とは言い難いのですが、ああ、私が求めている恋愛はこれだ! と気づかされました。
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梅原: |
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ほお〜。 読んでみるか。
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佐伯: |
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他に加藤さんのおすすめはありますか?
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加藤: |
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某出版社の27歳の営業さんが「最高の恋愛小説」と言っていたので高樹のぶ子『透光の樹』を読んでみたのですが、それが何というか、こう…。
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梅原: |
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何?
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加藤: |
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清純派の私にとっては刺激が強すぎました。 鼻血ブーです。
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天の声: |
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自分で「清純派」って言うな!
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梅原: |
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なんか最近幻聴がひどいんだけど…。
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加藤: |
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『透光の樹』は盛田隆二と白石一文作品がお好きな方にはいけると思いますよ。
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梅原: |
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オレのことか!
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加藤: |
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私のおすすめ恋愛小説は以上です。
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梅原: |
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少な!
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加藤: |
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佐伯さん、梅原さん、何かおすすめし忘れた作品はないでしょうか?
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佐伯: |
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はい! はい! 東野圭吾の『カッコウの卵は誰のもの』。 面白かったあ。 父親と娘の、スキーという競技の…。
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加藤: |
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あの〜、それって恋愛小説なんですか?
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佐伯: |
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えっ、これは恋愛小説では、ぜんぜんありません! ごめんなさい、でも、面白かったのに…。
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加藤: |
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お気持ちだけ頂戴しておきます。
梅原さん、佐伯さん、今回はご協力ありがとうございました。
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天の声: |
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また協力してあげてね。
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梅原: |
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あ〜、最近疲れてるのかなあ。
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