加藤: |
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今回は有隣堂スタッフ有志の方々にご登場いただきまして、秋の夜長におすすめのエンターテインメント小説をご紹介いただきたいと思います。
お客様が本をお選びになる際のご参考にしていただければ幸いです。 それでは初めに、有隣堂の斬りこみ隊長こと安田店長お願いします!
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秘曲
笑傲江湖
1・2・3・4・5・6・7
金庸:著
徳間書店
各1,680円
秘曲 笑傲江湖
(徳間文庫)
1・2・3・4・5
金庸:著
徳間書店
各840円
女王様と私
歌野晶午:著
角川書店
1,680円
株式会社
ハピネス計画
平山瑞穂:著
小学館
1,470円
強奪 箱根駅伝
(新潮文庫)
安東能明:著
新潮社
660円
夜明けの街で
東野圭吾 :著
角川書店
1,680円
探偵ガリレオ
(文春文庫)
東野圭吾:著
文藝春秋
540円
予知夢 東野圭吾:著
文藝春秋
490円
サクリファイス
近藤史恵 :著
新潮社
1,575円
ゴルゴダ
深見真:著
徳間書店
1,680円
烏金
西條奈加 :著
光文社
1,470円
厨房ガール!
井上尚登 :著
角川書店
1,680円
※価格は全て5%税込です。 |
安田: |
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はいはい。 今年7店舗目のお店に展開予定の"一人流しの書店員"安田です。 今度の職場は千葉の津田沼です。
11/9オープン予定のミーナ津田沼店です。 よろしくお願いしまーす。
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佐伯: |
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で、おすすめのエンターテインメント小説は?
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安田: |
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この秋のお勧めは中華圏最大のラノベ作家、もとい武侠小説家「金庸」先生の諸作品です。 近々に来日も予定され今度こそブレイクかも?
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富澤: |
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し、渋いですね!
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安田: |
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いやいや、隆慶一郎と茅田砂胡を足したような作風のエンターテイメントです。 初期のジャッキー・チェンの映画や多くのカンフー映画の源泉になった作品も多く有ります。
でも美少女大好きで男装の麗人とかがバンバン出てくるわ、それでいて妙に熱い男の世界だったりと中国エンタメ恐るべしと言ったところです。
ぜひ、時代小説ファンやラノベファンに読んで欲しいですね。
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大嶋: |
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面白い本は、ほぼ必ず売れていきますが、これほど売れていない本で面白い本はありませんよね。
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安田: |
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私は全作品単行本で買いましたが、今は文庫で買えます。 読み始めたら止まりませんよ。 日本でも時代小説が最近大人気ですが、とにかくこの人はすごい。
中国でも20世紀中国の作家ベスト4と魯迅に次ぐ人気です。 と言うことは生存作家のナンバーワン!
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小宮: |
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具体的に、どの作品から読み始めたらいいですか?
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安田: |
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『秘曲 笑傲江湖』これからいきましょう、男の友情。 運命に翻弄される人々。
大酒飲みだが誠実な主人公。 そして超ツンデレな彼女。 最高傑作でしょう。 そう中華圏でもツンデレは基本なのでした。 ぜひご確認を。
「おいおい、死んじゃうってば」なぐらいのツンをぜひご覧ください。
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加藤: |
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安田さんらしいおすすめ、ありがとうございました!次に、川崎BE店小宮さんのおすすめは?
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小宮: |
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私は、秋の夜長に、ということで夏バテにも効く本をご紹介します!
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佐伯: |
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本が夏バテ対策?
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小宮: |
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えへへ。 歌野晶午サマの『女王様と私』、平山瑞穂の『株式会社ハピネス計画』この2冊をおすすめします。 自分の日常とは遠くの空間にいる人物たちが不思議です。
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小林: |
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『女王様と私』の主人公は引きこもりの中年男性でしたっけ。
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小宮: |
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はい。 彼の長い妄想、そして現実。 歌野サマ独特の"裏切られ感"がサイコー!
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富澤: |
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『株式会社ハピネス計画』が気になるのですが、どんなお話ですか?
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小宮: |
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これもまた変な人ばっかり出てきます。 人のたてる音が気になって会社をクビになった譲クンとそのまわりの人々がバタバタと冗談じゃないよ、とまでにパワフルに動き回って転げまくって。
あっという間に読み終わりますが妙にシアワセな後味が残ります。
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大嶋: |
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あっという間に読めるということは本当に面白いんでしょうね。
私も、最近の本ではないのですがご紹介していいですか?
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加藤: |
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もちろんです。 藤沢店の大嶋さん、お願いします。
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大嶋: |
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安東能明『強奪
箱根駅伝』は、間違いなく最近読んだエンターテインメントの中で最高に面白かった作品です!
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安田: |
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おお。 箱根駅伝と言えば正月には欠かせないですねー。
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大嶋: |
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はい。 『強奪 箱根駅伝』は、まさにその中継の最中に起こる誘拐事件のお話です。 出てくる地名も馴染みがある場所ばかりで現実とフィクションの世界の区別がつかなくなってしまうような展開も興奮を呼びます。
懸命に走り続ける選手の姿に感動し、一緒になって手に汗を握ってしまいました。 単なるミステリーではなくすばらしい青春小説でもあります。
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佐伯: |
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うわあ、面白そう!私や加藤さんのような東海道線沿線住人にはたまらないですね!
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加藤: |
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おっしゃるとおり。 そう言うヨドバシAKIBA店佐伯さんのおすすめは?
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佐伯: |
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みんなが、「いい、いい。」と言い尽くしても、やはり大東野ファンの私としては『夜明けの街で』をおすすめします。
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小林: |
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サザンの名曲「LOVE AFFAIR」がモチーフになっているんですよね。
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加藤: |
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そう言えば歌い出しが♪夜明けの街で〜、ですよね。
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佐伯: |
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そうです。 切ない不倫のラブミステリーです。 「不倫なんかしたって幸せにはならないから、止めておけ」という作家東野圭吾の姿勢を感じながら、やはり人は恋に落ちていくのだなあなどと思いました。
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安田: |
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ヒューヒュー。
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佐伯: |
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この秋ドラマ化する『探偵ガリレオ』『予知夢』もぜひ読んでいただきたいです。 東野圭吾作品の引き出しの多さに酔いしれる秋の夜長になりそうです。
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小宮: |
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福山雅治主演の「ガリレオ」ですね!楽しみです!
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佐伯: |
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もう1冊お薦めしたいのは、近藤史恵『サクリファイス』。
ツール・ド・フランスや自転車競技を全く知らなくても10倍楽しめる作品です。
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大嶋: |
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私も、あの作品は衝撃でした。"アシスト"なんて、日本の美学を裏打ちしたような役割があるのだなということを知りました。
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佐伯: |
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でしょう? 「あの人を勝たせるために僕は走る」なんてかっこいいコピーがついていますが、ここでの本当の意味での"サクリファイス"は、最後にずっしり重く読む者達にのしかかってきます。
「勝つ」ことの孤独とか、重荷を描いた書物はたくさんあると思いますが、「これは、別格だな。 」と思いました。 お薦めです。
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加藤: |
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『サクリファイス』は確かに各方面で絶賛されています。 年末の「このミス」の発表が楽しみですね。 さて、ベテラン作家が続いたところで新人作家のおすすめはありますか?
川崎BE店の小林さん、いかがでしょう?
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小林: |
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深見真『ゴルゴダ』をおすすめします!
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安田: |
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ティーンズノベルズで活躍中の作者ですねー。
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小林: |
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はい。 『ゴルゴダ』は、妻子を殺害された男の復讐劇をハードに描いています。 銃撃戦のシーンも多いですがテンポ良くぐいぐいと読み進んでしまいました。
夏で緩んだ気分をきりりと引き締めたい方、ヒーローはダークでなきゃ!と言う方には是非!
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富澤: |
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ダークなヒーローですか。 ぐっときますね。
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加藤: |
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富澤さんにとっての"秋"はダークな秋ですか?
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富澤: |
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いえいえ。 秋といえば味覚の秋でしょう。 味覚の秋といえば丹波の栗。 丹波の栗といえば、西條奈加の『烏金』!
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小林: |
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あと、いなりずしとぬか漬けも。
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富澤: |
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『烏金』の話の舞台は江戸。 金貸しお銀のところに、突然転がり込んだ浅吉。 金貸しの弟子になるのかと思いきや、やり始めたのは職業案内、家業再生。
まさにお江戸のスーパーバイザー。 その「浅吉」と「丹波の栗」がどうからんでくるのかは、やっぱり読んでからのお楽しみでしょ。 フフフ。
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小林: |
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気になりますね! 味覚の秋にちなんだおすすめは他にありませんか? アトレ恵比寿店の加藤さん、いかがですか?
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加藤: |
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それでしたら井上尚登の『厨房ガール』がおすすめです。 料理教室が舞台で、そこに通う元警察官のヒロインが珍事件を解決していく、というお話です。
でも、謎解きよりも料理がメインなので読んでいるとお腹がぐぅと鳴りますよ。
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大嶋: |
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味覚の秋も楽しみたいですが、やっぱり私たちは読書の秋ですよね。
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加藤: |
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おっしゃるとおり。 このページをお読みいただいているお客様には、ぜひ本屋さんに足をお運びいただきたいと思います。 どうぞ読書の秋を満喫してください!
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